今回は、日本のオーガニック事情について書いてみたいと思います。オーガニック・無添加などのフレーズは、一般の人にも浸透していると思います。しかし、オーガニックや無添加の商品を生活の中に取り入れているかというと残念ながら多くはないのが現状です。農薬や添加物が体に良くないとわかりながらも日本に広がっていかない現状を考えていきたいと思います。
●日本と世界のオーガニック市場
日本のオーガニック市場がどの程度なのかご存じでしょうか?2017年でオーガニックの市場は1850億円です。世界のオーガニック市場と比較してみるとフランスが8000億円でドイツは1兆円です。かなり開きがありますね。さらにアメリカでは、3兆6000億円だそうです。世界全体で見ていくと2018年に約10兆6000億円(1000億ドル)を突破したそうです。世界全体で見ても日本の経済規模を考えると小さいように感じます。
参考情報:東洋経済オンライン://toyokeizai.net/articles/-/302815
アメリカ 3兆6000億円
ドイツ 1兆円
フランス 8000億円
日本 1850億円
世界的にも有機農法に取り組む農家が増えているそうですが、日本では、消費者のオーガニックの認識が他国と比較しても低いのでオーガニック市場がなかなか成熟していかないのだと感じます。
●オーガニック対象の商品は?
次にオーガニック商品として扱われているものに、どんなものがあるのでしょうか?シャンプー、石鹸、洗剤、リップ、タオルなどの生活用品があります。食品などは、野菜、コーヒー、米、醤油、納豆などがあります。他にもワインやチキンなどもあります。日本では、農林水産省が有機JASマークという認定資格を取り扱うようになっています。しかし日本ではオーガニックや無添加などの認識が消費者の中であまり重要度が高くないので関心度も低いのが現状です。そうなる農家がいくら頑張ってもオーガニックの市場が広がらないので負担が重くのしかかることになってしまうのが現状です。そうなると新たに参加しようと思う農家が増えないということになります。
●オーガニックを持続させる仕組み
このように需要と供給のバランスが取れない日本のオーガニック市場ですが、どのようにして持続させて成長させていくことが出来るのかを考えてみたいと思います。
ニュージーランドのサスティナブルな取り組み
ニュージーランドは、オーガニックに対してサスティナブルな取り組みを行っています。サスティナブルとは、「持続可能な」という意味で地球の自然環境の維持に役立つ経済活動で、自然環境に配慮した活動をしていくことです。ニュージーランドでは、観光でサスティナブルな視点を取り入れて発展させていこうという取り組みをしており大型商業施設やホテルなどを観光スポットにするのではなく、昔からある地域の自然や文化などを観光資源にしていくという取り組みをしており環境のことも考えながら自然の維持にも取り組んでいます。
※サスティナブル=持続可能
ニュージーランドのサスティナブルな取り組みに関ましては、当ブログ「オーガニックワインとビオワインの違いって何?」の記事内でも触れています。
オーガニックチキンの話
当店で扱っているナチュラルロティサリーチキンは、以前は「オーガニックロティサリーチキン」として販売していました。しかし、このコロナ禍の影響もあり養鶏農家さんが現状の維持が難しくなり、純粋にオーガニックと謡えなくなってしまいました。消費量の低下などで維持が困難になったことが原因にあります。ただ、一部オーガニックが謡えなくなっただけで取り組み自体は変えずに頑張っています。
取り扱う販売者の努力も必要
オーガニックを持続的に扱うには、オーガニックの産業が拡大していくことが重要です。ただ、そこに大量消費、大量生産の要素を取り入れてしまうとオーガニックの取り組みは大きくならないと思います。産業を大きくしながら取り組みは大量消費、大量生産を行わないと一見、真逆なことを言っていると思われるかもしれませんが、安全なものを適切な量という仕組みで経済が成り立つと考えると決して真逆ではないと思います。販売者もそのことを理解して消費者にオーガニックに対しての知識を適切に与える努力も必要だと思います。今の世の中で非常に難しい課題ではあると思いますが販売者も取り組みを繋いでいく努力は必要なのだと思います。
消費者の理解も必要
そして最後に消費者の理解があってサスティナブルな取り組みは完成していくと思います。安全というものを正しく理解して、安全なものを消費していくという取り組みが必要になると思います。いきなり180度変えていくのは、難しいかもしれませんが、少しずつシフトしていきながら進めていけば必ずサスティナブルな取り組みが可能になるはずです。