広尾のカジュアルフレンチと生ワインのお店「ル プリュース 」

生ワインとフレンチのお店Leplus

オーガニックワインとビオワインの違いって何?

ルプリュースでも多く扱っているオーガニックワインとビオワイン。その他にも自然派ワイン(ヴァン・ナチュール)やナチュラルワインなどと呼ばれているワインもありますが、その中でもオーガニックワインとビオワインは商品としても出回っています。でも何が違うのか少し不透明な部分があると思います。そこで、今回はオーガニックワインとビオワインの違いについて書いていきます。

オーガニックワインとは?オーガニックワインの定義は?

オーガニックワインは栽培に基準があります。

オーガニックワインとは。ブドウを栽培する方法のことを指し、オーガニック農法で栽培されたブドウを使い、オーガニックワインの規定に準じて醸造し、公的な認証を取得したものをオーガニックワインと言います。栽培に関する具体的な取り組みとしては、化学肥料を与えない。農薬、除草剤など合成化学物質は使わない。遺伝子操作を行わないなどです。この条件を3年以上継続している事や、周辺地域のオーガニックではない農業の影響を受けないなどもオーガニックの条件になります。

オーガニックワインとは?オーガニックワインの定義は?

オーガニックワインの醸造方法は?

オーガニックワインは醸造方法まで基準があるのでしょうか?答えは国や認証機関によって変わってきます。オーガニックワインにも酸化防止剤は使用されています。ただ、一般的なワインと比べるとその量は低いです。酸化防止剤を全く使わないというのは、ワインの特性上、全く使用をしないということは不可能なのです。使用しないと工程中にカビが発生するなど、ワインの中には糖分が含まれていますし酵母が生きていますので、その酵母の働きを酸化防止剤が抑制して劣化を抑制してくれる働きがあります。

 

上記の方法で造られたワインがオーガニックワインの基準を満たしますが、消費者がオーガニックワインと認識できる為に認証機関での認証が必要になってきます。この認証機関はいくつかありますが、有名なところで世界最大クラスのオーガニック認証機関のECOCERT(エコセール)やEUで最も有名な認証機関のユーロリーフ、フランスのオーガニック認証機関AB(Agriculture Biologique)などが有名です。この認証を得て初めてオーガニックワインとして世の中に出回ることを許されます。

オーガニックワインの醸造方法は?

有名なオーガニック認証機関

・世界最大クラスオーガニック認証機関
    ECOCERT(エコセール)

世界最大クラスのオーガニック認証機関のECOCERT(エコセール)。フランス農務省が、1991年に設立したオーガニック認定機関で、有機栽培食品を認可するために、土壌から栽培・収穫・保管・種子管理・商品広告にわたり基準を設けて検査と認証を行っている機関です。

エコセール

・EUのオーガニック認証機関
 Euro leaf(ユーロリーフ)

EUでもっとも有名な有機認証機関で2010年から制定されました。EUの有機農業規則に従って生産されていることが認証基準で農業原料がEU内で生産されているほか、農業原材料の一部がEU内で生産され、その他の部分が第三国で生産。当該製品を構成する農業原材料のすべてがある特定の国で生産されたものである場合は、包装された製品のラベルには、認証機関コードと原産地が記載されます。

ユーロリーフ

・フランスのオーガニック認証機関
 AB(Agriculture Biologique)

フランス農務省による認証のマーク。ABとは「Agriculture Biologique」の略です。「有機農業」を意味する。フランス政府が1981年に制定した認証です。最低3年間の有機農法実施とオーガニック材料を95%以上含んでいること、EU圏内で生産または、加工されたものに限られています。

AB

オーガニックワインには基準に則ったワインに与えられるルールがあります。

このようにオーガニックワインには、栽培、醸造方法にルールを設けて認証基準を取得したものがオーガニックワインと名乗ることが出来るのです。ただし、認証基準については各国の様々な認証基準があります。その中で栽培から醸造までの工程はオーガニック認証を受けられる基準にあるものの認証を受けることなく世の中に出回るワインもあります。この内容に関しては後程、説明をしていきたいと思います。

ビオワインとは何か?ビオワインの定義は?

ビオワインには明確な基準が無い?

ここまでオーガニックワインについて説明をしてきましたが、次にビオワインについて説明をしていきたいと思います。ビオワインのビオとはフランス語でバイオという意味です。日本で出来たフランス語と英語の組み合わせで出来た造語になり海外でビオワインと言っても通じないです。ビオワインには、オーガニックワインと違い明確な基準がありません。そしてビオワインには2つの栽培農法があります。1つはビオロジック農法。もう1つはビオディナミ農法です。

ビオワインとは何か?

ビオロジック農法とは?

ビオロジック農法とは有機栽培農法のことです。鶏糞や羊糞などの有機肥料を使用して栽培していきます。ヨーロッパでは、有機肥料にも認証基準があり、その認証されたものを肥料として使っていきます。遺伝子組み換えなども禁止されているので基準の則った有機肥料を使用していきます。そして無農薬でぶどうを栽培していきます。そして、醸造方法でも新たな規定で酸化防止剤も通常のワインより少なくなければなりません。これはヨーロッパの基準になります。

ビオディナミ農法とは?

ビオロジック農法の栽培方法を見ていくとオーガニックワインの基準とあまり大きく違いが無いように感じますね。それでは、ビオディナミという農法ではどうでしょうか?基本的な農法や醸造方法はビオロジック農法と違いは無いです。では、何が違うのかと言うと土壌のエネルギーと自然界に存在する要素の力を引き上げ、ぶどう樹の生命力を高める農法で天体の動きまで反映した栽培方法なのです。収穫時期なども太陰暦などに基づいています。少しオカルトチックな雰囲気が漂いますが、できるだけ農薬を使わず自然のまま栽培をしていきます。ルドルス・シュタイナー博士が提唱したもので、月齢、水晶の粉を撒く、水牛の角に糞尿を入れて土中に埋めて後で取り出してそれを肥料に加えるなどを決まりとした農法なのです。ビオディナミ農法は当初は、独特な農法で毛嫌いされていたところもあったようですが最近では、自然を活かした農法で安全という面で定着した農法となっているそうです。

オーガニックワインとビオワインの違いって何?

上記でオーガニックワインとビオワインについて説明をしてきました。栽培方法や醸造のルールや認証の有無が違うなどあります。ヨーロッパではオーガニック、ビオ又はビオロジックのカテゴリは有機というカテゴリで法的に同じものとして扱われます。では、日本ではどうでしょうか?日本ではオーガニックワインとビオワインは違うものとして扱われます。オーガニックはJIS規格で認証が必要ですが、ビオ、ビオロジック、自然派、ヴァン・ナチュールなどには認証など必要がないのでどの商品でも名乗ることが出来ます。因みにヨーロッパではビオワインという呼び方はしないそうです。ただ、上記の説明でもお分かりの通りビオワインも自然の循環の中で造られるワインということは間違いのない事実です。そのような意味では、オーガニックワインもビオワインも有機という観点では同じではないでしょうか?

安全なワイン造りは大事です。ただ持続できなければ意味がありません。

日本でのオーガニックのイメージは、一部のこだわりを持った人が利用するイメージがあると思います。そして高くて味などは二の次というイメージもあるのではないでしょうか?ですから意識の高い人が利用して、一般の人が関わることは限られているのではないしょうか。確かに有機栽培などは、農薬を使った農法などと比べれば手間がかかりますし、生産者の負担も少なくないので消費者としては敷居が高く感じる方も多いと思います。ただ、オーガニックは自然環境にも配慮した取り組みで消費者の食にも安心をもたらしてくれます。なので、取り組みが継続出来るものでなければ意味がありませんし、一般の方が身近に感じられるものでなければなりません。このような取り組みを継続して行う事を目的とした取り組みが「サスティナブル」です。サスティナブルとは、「持続可能な」という意味で地球の自然環境の維持に役立つ経済活動で、自然環境に配慮した活動をしていくことです。サスティナブルはワイン造りの中でも既に取り入れられています。主にニュージーランドやオーストラリアなどが行っています。ニュージーランドでは、観光でサスティナブルな視点を取り入れて発展させていこうという取り組みをしており大型商業施設やホテルなどを観光スポットにするのではなく、昔からある地域の自然や文化などを観光資源にしていくという取り組みをしています。オーストラリアも商品などにサスティナブルな取り組みを取り入れて経済活動する動きがみられます。ヨーロッパなどでもサスティナブルな取り組みをしている国はありますが、ニュージーランド・オーストラリアは、共に自然環境が充実しておりサスティナブルな取り組みも最先端を行っているように感じます。

サスティナブル農法で造られるワインこそが重宝されるべきだと思います。

このようにオーガニックをサスティナブルな取り組みでワイン造りに取り入れているワイナリーがニュージーランドやオーストラリアにはあります。そこで今回は、ルプリュースでも取り扱っている中で、認証の取得こそしていないものの取り組みはオーガニック認証を十分に取得に値するワイナリーのおすすめワインを紹介していきたいと思います。

シャーウッド・エステート(ニュージーランド)

ニュージーランドのサウスアイランドにあるシャーウッド・エステートは、ワイパラ・ヴァレーとマールボロに8つのぶどう畑を主有しており醸造まで自社で行うワイナリーです。自然環境を取り入れた有機栽培は、木々の間隔を広く取り、日光と風通しの良くするなどしています。また、周辺の自然環境にも有機栽培を意識した取り組みを行っており発電なども水力発電・風力発電を使用して行われています。ニュージーランドのオーガニック認証は取得していないもののサスティナブルの取り組みに関しては認証を取得しています。数々の受賞歴のあるワイナリーですがワインの価格自体は安価なものが多く普段のお食事で飲めるワインです。

→こちらのワインは店舗と通販でお試し頂けます。

通販ページはこちらから

シャーウッド

カレスキー(オーストラリア)

南オーストラリア州のワイン生産地、バロッサ・ヴァレーで160年ブドウ栽培を続けるKalleske(カレスキー)家。ワイナリー設立以降、ロバート・パーカー100点を獲得したこともある伝説的なワインの造り手として、数々の賞賛を受けているオーストラリアの有名なワインメーカーKalleske(カレスキー)。畑、ワイナリーともオーガニック、ビオディナミの認証を取得し持続可能な農法を実践。完全オーガニック認証のカレスキーの畑から、ブドウが持つポテンシャルを伸ばす為、なるべく手をかけない醸造方法でパワフルでありながらも、のびやかな後味を持つ個性豊かなワインが造られています。

 

カレスキー

バード・イン・ハンド(オーストラリア)

南オーストラリア州アデレードにあるワイナリーでワイン造りの理念でもある、テロワール本来のキャラクターを表現するために、環境に配慮したサスティナブル農法の取り組みに力を入れています。オーガニックの認証などはしていませんが、化学的なものをなるべく避け、自然に任せた醸造を行っています。バード・イン・ハンドは、2019年世界2大ワインコンテストであるIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で、ベスト・オブ・レッドワインメーカーを受賞しDWWA(デキャンター・ワールド・ワイン・アワード)では、最高のプラチナ賞を受賞したそうです。今や世界では、注目されるワイナリーとして認識されています。

→こちらのワインは店舗と通販でお試し頂けます。

通販ページはこちらから

バード・イン・ハンド

オーガニックの認証を取得するには費用もかかります。オーガニック農法をサスティナブルに取り組むには、栽培にも費用が掛かります。認証こそ取得をしておりませんが、その分農法・醸造にこだわりワイン造りをしているワイナリーをご紹介しました。皆様にもっとオーガニックを身近に感じられるようにルプリュースでも取り組みをしていきますので、ご興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください。