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フランス人は料理をしない!?フランスの食文化を知ろう。Vol.2

フランス人が大好きなワインと相性抜群のフランス料理

前回、フランス人の食生活について書いていきました。フランス人は、家で手の込んだ食事をあまりせずに外食をする文化があるとご説明をしてきました。そのなかで、いろんなカテゴリーのレストランがあり、シチュエーションに合った使われ方をされていました。そこで今回は、大衆的なブラッスリーや日常的に使いやすいビストロの定番メニューで、フランス人が大好きな料理をご紹介していきたいと思います。

 

フランス人の食事にはワインは欠かせません!必然的にフランス人が大好きな料理はワインと相性抜群のメニューという事になりますね。

 

 

ステックアッシェ

ステックアッシェは、主に牛肉をたたきにしたハンバーグのような料理というか、ハンバーグの原型と言われています。「アッシェ」はフランス語で細かく切るという意味で、筋などを綺麗に掃除すると小さくバラバラになったり、形が悪くなったりした肉を細かくしてからハンバーグのようにまとめてから焼きます。ハンバーグは日本では玉ねぎやつなぎを入れてふんわり柔らかく作るのが主流ですが、ステックアッシェは塩コショウやスパイス等くらいであまり余計なものは入れず、肉々しい仕上がりで食べます。牛肉100%で作ることが多いのでレアっぽく仕上げる事も多いです。

付けるソースにもよりますがステーキやロースト等のお肉料理と同じように、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、シラーといった品種で作る重めの赤ワインと相性がいいです。

スティックアッシェ

ステックフリット(バベットステーキ)

次は、ステックフリット(バベットステーキ)牛のステーキとポテトフライです。これがフランス料理??と思うかもしれませんがビストロやブラッスリーの定番中の定番で、大概どこの店もメニューにあるくらいフランス人の国民食です。その中でも特にフランス人が大好きなのがバベットステーキです。バベットは、日本でも最近では焼き肉の部位の多様化から馴染みの方も多い部位となってきたカイノミという部位です。バラの背中に近い側のバラ肉をなかバラといいますが、カイノミはそのバラの中でフィレ肉に一番近い部位で、バラ肉なのにフィレ肉の美味しさを堪能できる部位です。バベットステーキは、フランス・リヨンの郷土料理で肉が好きのフランス人でも特に人気で、バベットステーキだけのチェーン店が何種類も存在するくらいです。フランス人のソウルフードのようなイメージだと思います。ほぼみんなセニャンと呼ばれる日本ではレアくらいの焼き加減で焼くのでかなり生に近く食べているとお皿に真っ赤な肉汁があふれてきてそれをつけながら食べる方も多く、ソースを添えずに塩・胡椒だけの場合も多いです。

このように塩・胡椒のみでの味付けであればミディアム~ライトくらいのやや軽めの赤ワインを合わせるのがいいかと思います。ピノ・ノワールや、リヨンの郷土料理という事をも踏まえてすぐ近くのボジョレなどガメイで作った赤ワインなどいかがでしょうか。

ステックフリット(バベットステーキ)

アッシェパルマンティエ

アッシェパルマンティエは、ひき肉とじゃがいものグラタンでフランスのスタンダードな家庭料理でブラッスリーなどでもメニューにあったりします。先程のスティックアッシェと同じで「アッシェ」=細かく切る、ことから挽肉の事を呼んだアッシェ。また、フランスにじゃがいもを普及した農学者であるオーギュスタン=アントワーヌ・パルマンティエの名前からパルマンティエをとって料理の名前になっています。
軽くつぶしたジャガイモの上に赤ワイン等で味付けされた挽肉をのせ、チーズをかけてオーブンで焼きます。まだ日本ではあまり見かけられませんが、クセもなく日本人が好きな味だと思います。

この料理もミディアム~ライトのピノ・ノワール、ガメイ、グルナッシュ等の赤ワイン、または前菜として食べる事もあるので同じような品種で作られるロゼワインが相性がいいです。

アッシェパルマンティエ

ブフ・ブルギニョン

ブフ・ブルギニョンは赤ワインで牛肉を煮込んだ料理でビーフシチューの原型とも言われています。人参、たまねぎ、ブーケガルニなどの野菜で風味付けをしてマッシュルームやベーコンを添えた料理です。ちなみにブフは、フランス語で牛肉のことでブルギニョンはブルゴーニュ風という意味でブルゴーニュでもスタンダードな料理です。

ブルゴーニュ風とですから、フランスでもブルゴーニュの赤ワインで煮込むのが一般的です。ここは是非ピノ・ノワールで作ったブルゴーニュの赤ワインを合わせてみてください。

同系統のワインなので相性を超えた統一感が感じられます。

ブフ・ブルギニョン

ブーダン・ノワール

有名な肉製品の中でも最も古いものの1つで、ブーダン・ノワールは読んで字のごとく黒いソーセージ。豚の血を主な原料とすることに由来します。牛乳や卵・ひき肉を腸詰めにしたブーダン・ブラン(白いソーセージ)と対にして分類する事も多いです。豚の血の他にニンニクや玉ねぎ・パセリ・スパイス等を使ったシンプルな物から、豚の喉肉・脂等を入れたものなど地方によって様々です。バルでワインのつまみで食べたり、ブラッスリーやビストロで一品料理として食べる時には炒めた玉ねぎや、焼いたリンゴ、マッシュポテトと提供されることが多いです。血やホルモンが主材料なのでちょっととっつきにくいですが、味は非常にマイルドで臭みもあまりありません。町場のシャルキュトリーや豚肉専門店には必ずあり、パテやテリーヌと共にサラダに加えたり、再構築されガストロノミーな一品に仕上がったりと、とても人気な料理です。

味もスパイスが効いていたりと様々なアレンジがありますが、カベルネ・ソーヴィニョンやメルローといった力強く滑らかな赤ワインと合わせてもいいですし、シラーのようなスパイシーで濃厚な赤ワインとも非常に相性がいいと思います。

ブーダン・ノワール

コック・オー・ヴァン

フランスの田舎料理の代表格で雄鶏・ベーコン・玉ねぎ・マッシュルームを赤ワインで煮込み黒胡椒を利かせたものです。

発祥の地は赤ワインの煮込み料理で名高いブルゴーニュですが、現在はフランス全土に家庭料理として広まっています。もともとは肉の硬い老いた雄鶏を食べやすくするために考案された料理ですが、低温で長時間煮込んでも煮崩れず、若鶏には出せない滋味が現れます。

本来は、雄鶏の肉を柔らかくするために一晩赤ワインで漬け込むのですが、近年では漬け込む手間を減らすために若鶏を使ってすぐに煮込み始める事も多いです。

煮込んだ赤ワインと同じワインを合わせて飲むのがいいとされていますが、お店で食べる時などはブルゴーニュ品種の赤ワインを合わせると雰囲気が出ると思います。

コック・オー・ヴァン

是非、ピノ・ノワールやガメイの赤ワインを合わせてみてください。

今回は、ここまでになります。

 

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フランス人は料理をしない!?フランスの食文化を知ろう。Vol.1