広尾のカジュアルフレンチと生ワインのお店「ル プリュース 」

生ワインとフレンチのお店Leplus

おすすめワイン『イル パッソ』

イル パッソ

 

イタリアのシチリア島で造られるワインで、造り手はヴィニエティザブ

ザブでは、土着品種に力を入れていますが、シャルドネ、シラー、メルロは、シチリアで高いポテンシャルを持つため、一部ですが栽培しています。

ワイン造りは、共同組合で行っており醸造設備は、主に組合のものを使用していますが、クロスフロー フィルターなどファルネーゼが持ち込んだものもあります。セラー内には古いコンクリートタンクがあり、主にワインの保管、マロラクティック発酵に使用しています。ステンレスタンクより長期保存に向いており、ワインのフルーティさを残すことが可能です。また、セラーの壁は1m程のぶ厚いコンクリートで出来ていて、気温が一定に保たれます。白の醸造用タンクは屋外、赤用はセラー内にあり、温度はコンピューターで制御されており、オフィスで常に確認出来る状態になっています。酸化を防ぐために、窒素を充填させて醸造を行います。

ヴァルポリチェッラで行うリパッソの手法によって凝縮感と風味を増したワイン。それがこのイルパッソです。

このワインに使われているネレッロ マスカレーゼという品種は、ピノ ノワールに似たエレガントな個性を持っていますが、地元では色が薄く糖度があがらないと言われていたため、アマローネ的な効果を与えることにしました。10月上旬に畑で房の付いたまま枝をカットし、樹上で7~14日間乾燥させます。シチリアの暑い太陽とアフリカからの風が、糖分を増加させます。15~20%重さが減ります。20日間発酵し、果皮と共に長い醸しを行います。バリック(主に新樽)で(95%フレンチオーク、5%アメリカンオーク)4~5ヶ月熟成します。パッソには、「乾燥した」という意味と「歩み」という意味があり、ラベルに足跡が描かれています。リパッソを意識した名前であると同時に、畑での手作業を含め一歩一歩最高の品質に向かって前進するイメージです。現在生産量が増えて、ザブの35%がイル パッソです。

2016年ヴィンテージからネレッロ マスカレーゼ100%になりました。これまではネーロ ダーヴォラ30%を混ぜていましたが、以前からいずれはネレッロ マスカレーゼ100%で造りたいと考えていました。当時はまだ樹齢が若すぎたので出来ませんでしたが、大部分のネレッロ マスカレーゼの樹齢が高くなりとても良い状態を迎えているので、100%で造れるようになりました。

艶やかな黒紫色、タンニンは丸く、なめらかな口当たりです。果実そのものがもつ甘みが弾ける様に広がります。スパイシーさやバルサミコを思わせる風味があります。

シチリアワインにありがちなガブ飲みワインとは一線を画す、個性と美味しさ、さらにコストパフォーマンス全てが高いレベルでまとまっている濃厚赤ワインです。